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エンザート

エンザートは、外径に切られたねじでタッピングをおこなう、セルフ・タッピング・インサートです。前タップが不要になるだけでなく、従来のインサートに比べて、引き抜きや緩みに強いという特長があります。主に直タップでねじ山がつぶれやすい母材(アルミ合金、プラスチック材全般など)に使用され、内径・外径の両方にねじを持ち、個体に割溝または三つ穴式の切刃を備えています。比較的強度の低い母材のねじ部を補う、信頼性の高い締結部品として機能します。

製品概要

エンザートの特長

  • 01

    機械的強度の低い母材のねじ部を補強

  • 02

    ねじ軸力をエンザートの外ねじ部の母材が支えるため、直タップねじより母材の強度が向上

  • 03

    強度は母材固有のせん断強さ、または使用するボルトの機械的強さが限界となるが、エンザート自体は破壊されない

  • 04

    ねじ山がつぶれやすい樹脂材、ボルト許容荷重に耐えられないアルミ合金材なども補強可能

製品ラインナップ

製品をクリックして詳細をご確認ください。

エンザート302型(割溝タイプ)

エンザート302型(割溝タイプ)

サイズは 割溝タイプ をご確認ください。

特長
  • 汎用タイプで快削性のある鋳鉄、アルミ合金、可塑性の高い樹脂などに使用可能
  • 切刃の部分が長く、どの母材にもくいつきがよい
  • 硬度の高い母材に対しては切刃が加工面から浮く傾向があり、ピッチ遅れを生じることがある
  • 難削性の高強度アルミ材やFRPのボス穴には不向き
  • 真鍮製は樹脂、木材用
材質112:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、3価クロメート
160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
400:ステンレス鋼SUS430F(相当) M16まで
500:ステンレス鋼SUS303(相当) M20まで
800:真鍮C3603(相当) M16まで

エンザート303型(小外径割溝タイプ)

エンザート303型(小外径割溝タイプ)

サイズは 割溝タイプ をご確認ください。

特長
  • 肉厚が薄く、外径が小さくつくられているタイプ
  • 可塑性の高い樹脂の小型部品に適している
  • 内ねじのピッチと外ねじのピッチが同じ
材質112:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、3価クロメート
160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
※小外径用専用工具 機械加工用「6201型工具」またはハンド加工用「6101型工具」をご使用ください

エンザート307/308型(三つ穴タイプ)

エンザート307/308型(三つ穴タイプ)

サイズは 三つ穴タイプ をご確認ください。

特長
  • 軟鋼、強度の高いアルミ合金、割れやすい硬質樹脂に適している
  • 外ねじの高さが低く肉厚が若干厚いため、個体強度に優れる

※超高強度鍛造アルミには使用不能の場合があります

材質112:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、3価クロメート
160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
400:ステンレス鋼SUS430F(相当)
500:ステンレス鋼SUS303(相当)

エンザート347/348型(小外径三つ穴タイプ)

エンザート347/348型(小外径三つ穴タイプ)

サイズは 三つ穴タイプ をご確認ください。

特長
  • 軟鋼、強度の高いアルミ合金、割れやすい硬質樹脂に適している
  • 外ねじの高さが低く肉厚が若干厚いため、個体強度に優れる

※超高強度鍛造アルミには使用不能の場合があります

材質112:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、3価クロメート
160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
400:ステンレス鋼SUS430F(相当)
500:ステンレス鋼SUS303(相当)

エンザート317/318型(ピン付きタイプ)

エンザート317/318型(ピン付きタイプ)

サイズは ピン付タイプ をご確認ください。

特長
  • 307/308型にピンの付いたタイプ
  • 外周部の母材にピン穴(半円分)をドリルし、ハンマーでピンを打ち込む
  • 高振動部分や高トルク締結での使用でも緩みを防止
  • ボルトの着脱の頻繁な部分では、戻しトルクを高める効果も
材質

160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート

エンザート337/338型(チップフリータイプ)

エンザート337/338型(チップフリータイプ)

サイズは チップフリータイプ をご確認ください。

特長
  • 止り穴になっている外周部の三つ穴に切粉を封じ込める
  • くいつき時にわずかに切粉が外に出るが、大部分は3つのチャンバーに収まり、切粉の後処理が不要
材質

112:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、3価クロメート
160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
400:ステンレス鋼SUS430F(相当)
500:ステンレス鋼SUS303(相当)

エンザート307 2/308 2型(六角内ねじタイプ)

エンザート307 2/308 2型(六角内ねじタイプ)

サイズは 六角内ねじタイプ をご確認ください。

特長
  • プラスチック材に使用すれば、リサイクル時に簡単に外すことができ、分別処理が可能
  • 挿入工具との着脱は回転動作を伴わないため、加工作業が短縮
  • 先端が六角形状の単純な専用工具で挿入可能(従来のハンド加工用、機械加工用の工具も使用可)
  • 挿入工具は、反転させなくてもエンザートから抜き取ることができるため、反転機構のないドリルなども使用できる
材質

1160:鋼SUM22L相当、浸炭焼入、亜鉛メッキ、6価クロメート
800:真鍮C3603(相当)

エンザート309型(超荒目外ねじタイプ)

エンザート309型(超荒目外ねじタイプ)

サイズは 超荒目外ねじタイプ をご確認ください。

特長
  • 硬質・軟質木材、パーティクルボード、軟質樹脂に適している
  • 通常はセルフタップで使用。とくにやわらかい母材には切刃(割溝)を上に向け、ねじ塑性成形式としての使用を推奨
材質

800:真鍮C3603(相当)
500:ステンレス鋼SUS303(相当) M3~M8まで

エンザート305型(ねじ塑性成形タイプ)

エンザート305型(ねじ塑性成形タイプ)

サイズは ねじ塑性変形タイプ をご確認ください。

特長
  • 可塑性の高い樹脂全般に使用可能
  • 母材にめねじを塑性成形し、切粉を出さない
  • 金属材料には使用不可
材質

800:真鍮C3603(相当)

割溝タイプ

三つ穴タイプ

ピン付・チップフリー・六角内ねじ

ねじ塑性変形型・超荒目外ねじ・スパークプラグ

専用工具

仕様

工具先端部(スタッド)の調節について

スタッド部分の調節は以下の点に注意しておこなってください。
・短寸のエンザート(307型など)を使う場合は、工具のスタッド長さを右図のように調節してください
・「620型工具」、「621型工具」はシェルの内側のねじ(右上の図中5)を外して調節します。調節後、シェルが可動するか確認してください
・「610型工具」は、長すぎる分をグラインダーで削り取ってください

エンザート挿入方法

エンザートを挿入するには、専用の工具が必要です。こちらでは、 エンザート挿入に使用する工具の仕様をご紹介します。

機械加工

機械による挿入の際は、以下の点にご注意ください。
・タッパーまたはボール盤(反転位置を機械側で設定できるもの)を使用してください
・目測による反転では専用工具とワークの衝突を完全に防げす、加工不良の原因となります
・専用工具の先端スタッドやベアリングを保護するためにも、反転位置は事前に設定してください

1. エンザートを装着します

割溝または三つ穴を下にし、下穴の上にエンザートをまっすぐ置きます。機械の回転を利用して専用工具にエンザートを取り付けます。

2. エンザートを挿入(セルフタップ)します

エンザートが完全に専用工具に取り付いた時点で、送りに少し圧力を加えれば、母材にエンザートがくいつきます。
その後は回転だけで下穴をセルフタップできます。

3. 工具が自動的にはずれます

事前に設定した加工深さで回転が反転すれば、ピンの位置が右に移動し、専用工具だけがリリースされます。

ハンド加工

割溝または三つ穴を下にして、エンザートを最後まで工具先端に取り付けます。「620型工具」「621型工具」を使う場合は、かならずピンの位置を向かって左側にくるようにしてください。

1. エンザートを装着します

割溝または三つ穴を下にし、下穴の上にエンザートをまっすぐ置きます。機械の回転を利用して専用工具にエンザートを取り付けます。

2. エンザートを挿入します

エンザートのくいつき時(1~2ピッチ)に、X、Yの両方向から下穴に対して傾きがないかチェックします。傾きがあった場合は工具を反転しないで立て直してください。エンザートが1/3~1/2以上入ったあとは、立て直しが不可能です。

3. 工具を引き出します

所定の位置まで挿入できたら、「610型工具」の場合は六角部をスパナで固定し、ハンドルを左へ反転(反時計まわり)すれば工具がフリーになります。「620型工具」「621型工具」の場合は、
そのまま反転してください。

エンザート挿入動画

割溝または三つ穴を下にして、エンザートを最後まで工具先端に取り付けます。「620型工具」「621型工具」を使う場合は、かならずピンの位置を向かって左側にくるようにしてください。